排便管理外来

排便管理の重要性

消化器病専門医・胃腸科専門医が指導・治療を行います。

毎日排便が出ずに長い間過ごしてきた方、薬局で悩みながら下剤を使用してきた方、すぐに下痢をしてしまう方、これまでの排便管理薬に満足していない方・・・気持ちの良い排便習慣を諦めてはいませんか? 

慢性便秘症・過敏性腸症候群(下痢型・便秘型・混合型)はとても多い病気です。生活習慣(食生活・運動習慣・睡眠・ストレスなど)や生活習慣病(糖尿病・肥満など)とも密接に関わっており、総合的な管理が重要です。

近年、多くの排便管理薬が処方可能となり、それらの薬を上手に使用することで気持ちの良い排便習慣が達成できると考えています。

それまで良い排便習慣があった方がある時から下痢をするようになったり、便秘がちになったりした場合には器質的な疾患(消化管関連腫瘍・慢性炎症性疾患など)を否定することも重要です。必要に応じて、血液検査・レントゲン検査・超音波検査・胃や腸の内視鏡検査をお勧めします。

 

 

当院では他院にて治療を導入された患者様の紹介受け入れも行っています。
転勤先や他の病院で治療を導入後、できれば家の近くで治療を継続したい。たまには病院での検査も受けたいという方は是非当院にご相談ください。
どの病院とも連携を行って、治療を続けていくことができます。

 

 

便秘を改善する薬として、日本では以前からマグネシウム製剤(酸化マグネシウム)や大腸刺激薬(センノシドやピコスルファートナトリウムなど)などがよく使われてきました。

マグネシウム製剤は浸透圧性下剤に位置付けられ、便を柔らかくしてくれる作用があり、安価で安全性も高いことから、現在でも第一選択薬と位置付けられています。使用上の注意としては、腎臓の機能が低下している方やご高齢の方では、血液中のマグネシウム濃度が高くなる副作用が報告されています。そのため、定期的な採血検査により安全性を担保することが必要です。

大腸刺激性下剤は安価で有効な薬剤ではありますが、日常的に使うと効果が薄れていきます。長期連用は可能な限り避けた方がよい薬と言えます。便秘時の頓用使用が勧められます。

新しい便秘症治療薬について

アミティーザ®(ルビプロストン):2012年に発売。小腸内のクロライド(ClC-2)チャネルというクロールイオンの通り道を活性化することで腸内の水分を増やします。
成人に対して保険適用される薬で、妊婦は使用できません。1日1-2回食事の後に内服。

リンゼス®(リナクロチド):2018年に発売。腸粘膜にあるグアニル酸シクラーゼC受容体を刺激することで2つの効果を発揮。腸液を分泌促進して便秘を改善し、腹痛やお腹の違和感を改善します。
成人に対して保険適用される薬で、1日1回食事の前に内服する錠剤です。最も多い副作用は、下痢(9.2%)。

グーフィス®(エロビキシバット):2018年に発売。回腸末端の胆汁酸トランスポーターを阻害して、大腸の水分量を増やす効果と大腸の運動を促進する効果があります。
成人に保険適用される薬で、1日1回食事の前に内服。主な副作用は、腹痛(19.0%)、下痢(15.7%)。

モビコール®配合内用剤(マクロゴール4000など配合剤):2018年に保険適用。消化管では吸収されずに便の水分を増やして便秘を改善します。
2歳以上の人に保険適用される薬で、1日1-3回水に溶かして内服。主な副作用として下痢や腹痛。

ラグノス®NF経口ゼリー(ラクツロース):2018年に慢性便秘症で保険適用。元々は産科術後や小児、高アンモニア血症の患者さんに対して使われてきた薬。腸から吸収されにくく水分を引き出す効果があることから、便を柔らかくして便秘を改善。また、ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌を増加させる効果によって、有害なアンモニア産生菌を減らします。ラグノス®NF経口ゼリーは成人に対して保険適用される薬で、1日2-3回内服します。ゼリータイプなので嚥下の機能が低下している高齢者にも使用しやすいです。ガラクトース血症の人は使用できません。主な副作用は下痢(12.3%)、腹鳴(1.0%)、鼓腸(胃腸にガスが溜まること)(1.0%)と報告。


過敏性腸症候群には下痢型・混合型・便秘型がありますが、消化管運動調整薬やポリカルボフィル、ラモセトロン塩酸塩錠(イリボー)のほか漢方薬(大建中湯、小建中湯、桂枝加芍薬湯など)や抗不安剤を適宜使用します。

当院では病気の原因を知るために家族歴・生活習慣・職業習慣・運動習慣・喫煙や飲酒歴などを詳しくお聞きすることが大切と考えています。その上で診察・検査をお勧めし、薬を選択していきます。